macarenasempai’s blog

腕時計が好きな中年サラリーマンの日記

YAPOO!

今でも犬の散歩をしている人を見かけると時々思い出してしまう作品がある。
 
最近めっきり目にすることがなくなったが、戸川純の在籍していた「ヤプーズ」というバンドがいた。80年代前半のとても日本が元気な時代のいわゆるサブカル系(恥)だ。そういったサブな情報は、ネット普及前には、雑誌・ラジオ・店頭(レコード屋)・友人との情報交換という今でいうアナログな方法でしか知る術もなく、だからこそ「サブ」カルチャーだったのだが、今では検索かければ、Wikipediaで大まかな情報はわかるし、ファンが書いたブログやらSNSでメインの情報はもちろん、当時知り得なかった情報まで手に入る。更にはYouTubeでほとんどの曲は聴けてしまうし(大半が違法アップロードだけど)、やサブスクのリコメンド機能で簡単に辿り着ける。すごい時代になったものだ。サブがサブでなくなり、メインとサブの境界線が無くなってきているような気がする。…今更か?だからこそ個別の情報を手に入れる有難みも薄れるのだけど。
散々前置きしていてアレだが、そのヤプーズについては、実はそんなに思い入れがない。20年以上前に復刻された「ヤプーズ計画」というCDを1枚聴いたくらい。「夢で逢えたら」などバラエティー番組にたまに出て来る、ちょっと変わったミュージシャンくらいの位置付けでしかない。ただ、バンド名の元ネタが小説「家○人ヤプー」という作品で、この「ヤプー」が自分にとってのトラウマになっている。

小説はいわゆる“責めたり責められたりするのがお好き”なマニアなお方が購読されるジャンルの雑誌で連載されていたもの(らしい)で、当時も物議をかもしたらしい。
今風にいえば、「“日本人”が○畜以下の存在になってしまった数百年後の未来に、勝気なドイツ人のフィアンセとタイムスリップしたら、わずか3日で彼女のイヌ(兼便○)に調教されてしまったのだが」みたいな内容。(ちなみに「正式な」“イヌ”になる前は“イス”にもなったことがある)
日本人作者がこれでもかと日本人をこき下ろし続けることで趣向が合致するお方には堪らないのかもしれないが、責められるのが嬉しくない自分にとって、この世界観は全てがショッキングだった。(お陰で自分に責めも責められも趣向がないことが確認できたわけだが)

漢らしい日本男児の主人公(麟一郎)がなんやかんやで、人間の尊厳を奪われ 支配されることを受け入れていき「ゴシュリンタマ〜」な感じに。フィアンセ(クララ)は、自分が貴族として扱われ行く中、その未来では日本人が○畜以下の"生きているモノ"である「ヤプー」という存在となり、骨抜きにされていく主人公を見ながら、だんだん侮蔑の対象になっていき、そんな本性も満更でもないことに気付いていく。(興味があるマニアなお方はWikipedia等で調べてみて)
家○から解放されるチャンスがあったのに、彼女のイヌ(兼、○器)になることを自ら選択するラストシーンは、大変ショッキングだった。完全にトラウマ。

冒頭のイヌの散歩を観て、可愛いと思うことと同時に、そのイヌの視点から自分が鎖に繋がれてリードを引っ張られたり、餌をガツガツ食べさせられてキャッキャ喜んでうれションでもしていたら…と一瞬頭をよぎってしまう。(流石に飼い犬に自分のアレを食べさせたり、ソレを飲ませたりする人はいないと思うが)ほか、「食用◯」の件など肉を食べていても、たまに作品の一節を思い出して気分が悪くなることもあるし、競走馬のインブリードとか、アウトブリードみたいな交配などもそうだ。そう考えてみると人間ってつくづく他の動物を好き勝手にコントロールしているんだなと感じる。

そもそもこの作品を知ったキッカケは大学時代に古本屋でアルバイトしている友人から借りて読んだのだが、あまりに世界観がキツ過ぎるのと、表現・単語が独特で理解できない部分が多々あり、ほとんど読み飛ばしてしまった。後で石ノ森章太郎が漫画化していたのも読んで、こういう意味だったのか!と再度気持ち悪くなった思い出がある。だったら読まなければいいじゃないとは思うのだが、こんなマニアックなことも受け入れられるんだぜとイキっている友人に、オレもわかるよみたいなフリがしたかったんだろう。ああ恥ずかしい。その彼の名誉のために言っておくが、決してマニアなお方では無い。まぁアレだ、若い頃の渡辺満里奈みたいな女の子とベトナム料理屋とかでフランス映画の話とか振られて、「ん〜わかるよ〜。アレだよねー」みたいな話をするのと同じなんじゃない?よう知らんけど。

中には今話題のカルトな教会の如く、洗脳・調教により奉仕することに悦びを感じるように作られた社会も垣間見え、何が正しいのかもよくわからなくなる。自分もこの社会に生まれ落ちたら同じようなことを思うのかもしれない。洗脳・調教アカン!(放課後電磁波クラブ風に)

ちょうど、某Ωやら某教会やらがアレしてた時代に学生時代を迎えた世代で、報道やら書籍やらでカルトへのちょっとした知識はあったのでそういう連中と関わらずに済んで良かったが、20年の時を経てまさに原理を研究する集団みたいなものが手を替え品を替え暗躍し、日本の中枢にズブズブに関わっている事実を知り、慄然としている。


因みに、ウルトラマンAに出て来る敵役が「ヤプール人」という集団(?)なのだが、このヤプーが元ネタらしい。小学校低学年に夕方再放送でサイケデリックなドロドロした画面越しに喋っているヤプール人の映像を観て、子供ながらに震えるほど怖かったのを今でも思い出す。

これもトラウマか。沼昭三め…。

 

今日の時計

DUFA ムーンフェイズ

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買った当初、勢いで買ったことを後悔していたが、先日取り替えたベルトがよく合っていて一気にお気に入りに仲間入り。

ベルト一つでこうまで気持ちが変わるのか…。